2012/03/01

秋とお酒とカナダ人@サンフランシスコ

この話は実際にあった出来事を書いた回顧録です。
※作者の記憶の都合により、多少史実と違うところがあるかもしれませんが、ご容赦下さい。

JoY 混作の主人公。某有名人と名前が被っている。ポイントは小さな「o」。 C・O カナダ・男の略。



2009年10月。世界一周の決意をし、日本を飛び出した青年JoY。東京から18時間かけて一路サンフランシスコへ。飛行機では相席になった人がとても親切でこの方にはいくらお礼を言っても言い足りない。そして、紆余曲折(その時の記事がこちら)がありその方と別れていよいよ本当の意味で初めて、サンフランシスコの地に降り立つ。穏やかな陽気。少し靄がかかった街並み。ここは霧の街サンフランシスコ。

数日後。ここに来てから幾日か経つが今日は特に何もしなかった。強いて言えば、宿で漫画を読み漁ったくらいだ。無意味極まりない。別段、現代の日本文化の一翼を担うMANGA文化を卑下するわけではないが、何も世界一周ののっけから日本の漫画を読みあさることはないだろう。

曰く。初めの数日こそは見るもの全てに興奮を抑えきれず、いわれるTENSIONタケー状態を維持していたのだが、ただでさえ食に大雑把なアメリカでしかもいきなり24人部屋に泊まってしまえばその気持ちも雲散霧消するのは自明の理であった。

しかし、そんな状況を静かに、かすかに、そしてどこか私の期待を揺さぶる音がした。

「コンコン」

初めは気のせいかもと思ったが、次第に大きくなる音とともに自分の名前を呼ばれれば、さすがに誰かが呼びかけていたのだと気づく。

「コンコン、コンコン

ふと音のする方を見るとそれは窓の帳を叩く音だった。

C・O「Hey、JoY!Can you hear me?」
「よう、JoY!聞こえてるか?」

声の主は先日、食堂で少し話しただけの男からだった。男は目の前の小さな窓に入りきらないぐらい大柄でガッチリとした体格をし、いかにもアメフトでもやってそうな欧米人らしい風貌だった。確か、昨日会った時に自分はカナダ人だと言っていたはずだ。

それにしても、取り立てて仲が良かったわけではない男がなぜ?俺に何か用なのか?そんな疑問が浮かび上がった。正直、用があろうがなかろうが少し鬱陶しい。というのも連日のアメリカ食ですっかり参ってしまった私は早くも日本漫画が恋しいホームシックに罹ってしまっていたので男からの呼びかけには出来れば気づかなかったほうが良かったと後悔していた。

さりとて気づいてしまったからには無視するわけにもいかないので、気だるげに男の言葉に不信感を抱きながら答える。

JoY「Yes???What's up man?」
「はい???どうしたってんだいったい?」

C・O「Why don't we go for driving?」
「一緒にドライブに行かないか?」

JoY「・・・。・・Sure!」
「・・・。・・行く!」

この時、自分がどうしてあんなことを行ったのが今となってはもうわからない。しかし、今振り返ればその一言、勇気を振り絞ったたった一言が私の長い長い旅人生への第一歩であった。

続く。


あとがき。
如何でしたでしょうか?初めての回顧録・・・というより伝記物語でしょうか。色んな意味でドキドキの処女作でしたが、お酒の力を借りてか案外すんなりと筆が進みました。とんでもない作家もいたものです。とは言うものの作家というのもおこがましいペーペーライターなのでまだまだ勉強しなければならないことが多そうです。

この物語は当時の雰囲気を出来る限り再現しながら、読んでて面白いと感じてもらえる作品を目指しています。まず気をつけるべきことは、壱、作品の雰囲気を壊さないこと。弐、それが万人にとって面白いと受け入れられること。この二つを主軸に据えて誠心誠意、文に魂を込めさせて頂きます。

拙者、まだまだ精進いたしまするぞお!エイエイオー!(古いか?)

駆け出しライター JoY

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